ついつい汚れを溜めがちなキッチンの換気扇やレンジフード。高いところにあるため手が届きにくく、日常的にお掃除するのは大変です。コテコテ油を触るのも嫌。と言う方も多いのではないでしょうか?
年末の大掃除でキレイにしようとしたときには、油汚れがこびりついてなかなか落ちないことも。そこで今回は、頑固な油汚れを落とすコツや、具体的なお掃除方法をご紹介します。
換気扇・レンジフードのお手入れは大変そう、見えるところはできそうだけど、内側はどうやってお掃除するのかわからないという方も多いでしょう。そのため、汚れが気になっていても放置してしまう方もいるかもしれません。しかし、放置した汚れは取れにくくなるだけでなく、他にもデメリットがあります。
換気扇・レンジフードは油以外にほこりも吸い込むため、混ざってギトギトになった汚れがこびりつき、換気効率を下げてしまうのです。
※換気効率の悪化による具体的なデメリット
①嫌な臭いや異音のもとになる
放置して溜まった油汚れは、嫌な臭いや異音の原因になります。換気扇・レンジフードの役割は、キッチンの煙や汚れた空気を外に排出することです。しかし、溜まった汚れが換気の妨げとなり、空気の循環が滞ってしまいます。
換気タイプには主に、プロペラファン型の換気扇とシロッコファン型のレンジフードがあります。特に近年の住居に多いレンジフードは、シロッコファンの羽の間や外側のレンジフードフィルターの目が細かいため、汚れが溜まりやすいのも特徴です。そのまま放置すると空気が循環しづらくなり、油汚れの嫌な臭いが残ってしまいます。また、こびりついた油汚れがファンの回転バランスを悪くさせ、異音を発生させる原因にもなるので要注意です。また、ホコリやゴミがモーター内部に入って起こる異音は交換するしか対処の方法はありません。
②余分な消費電力がかかる
溜まった汚れによって換気効率が悪くなると、余分な消費電力がかかることも考えられます。電気代も高くなってきている今、少しでも家計への影響はできれば避けたいものです。取れにくくなった汚れを落とす手間や臭い、異音だけでなく、電気代への影響も気になる点の一つです。
③引火のリスクがある
換気扇・レンジフードまわりの油汚れによって、引火のリスクも考えられます。
ほこりを含む油汚れは着火しやすいため、引火の原因になるので要注意。揚げ物など調理で燃え上がった炎が、べったりこびりついた油汚れに引火する危険性もあるのです。
※ガンコな油汚れを落とすポイント
油汚れを放置すると、衛生面だけでなくさまざまなリスクがあるためしっかり落としておきましょう。
しかし、一度こびりついた汚れを落とすのは時間がかかります。自分でお掃除するためのコツがわからないといった方も多いと思います。
ここでは、そんな頑固な油汚れを落とすポイントを紹介します。
- 効率よく汚れを落とすには「温度」「洗剤」「時間」が鍵
まず、油汚れを落とす際は温度が鍵!食器洗いの際、お水で洗うと油がべとついて取れにくくなったという経験はないでしょうか?
油は一定の温度以下になると白っぽくなり、粘性が高くなって取れにくくなります。そのため油汚れを落とす際は、高めの温度で油を緩めることがポイント。つけ置き洗いや洗い流す際は、40〜50度のお湯を使用すると取れやすくなります。
また、汚れは反対の性質を持つ洗剤で中和して落とすのが基本。油汚れは酸性の性質を持っているため、アルカリ性の洗剤を使用するのが効果的です。
または、合成界面活性剤が含まれる中性洗剤(食器用洗剤)を使用してもよいでしょう。合成界面活性剤によって本来はじきあう水と油が混ざりやすくなり、汚れを落としてくれるのです。
なお、洗剤が汚れに反応するにはある程度の時間が必要です。しつこい油汚れに対しては、しっかりと時間をかけて洗剤を浸透させましょう。
- 油汚れのお掃除は夏から秋がベスト
日頃、手間がかかるお掃除は後回しになりがちです。年末の大掃除でやる方は多いと思います。しかし実は、油汚れのお掃除には夏から秋の方が適しているというのをご存じでしょうか?
油汚れを落とすコツとして「温度」を上げたように、気温の高い夏の方が油が緩みやすくより落としやすくなります。長期間放置してなかなか取れない油汚れは、気温の高さを活用するのもポイントの一つです.
※おすすめのお掃除方法
しつこい油汚れを落とすコツがわかったところで、具体的なお掃除方法をご紹介します。
換気扇・レンジフードは自分でお掃除しにくいイメージがありますが、一度やり方を覚えたら特別な道具がなくても自分でお手入れできます。
油汚れのお掃除には、温度や洗剤、時間といったポイントを押さえた「つけ置き洗い」「湿布法」がおすすめです。
<準備するもの>
・油汚れ落とし用の洗剤(スプレータイプ)
・中性洗剤(食器用洗剤)
・大きめのゴミ袋(40リットル以上)2枚
・布テープ
・スポンジ
・古歯ブラシ
・バケツまたは桶(シロッコファンやフィルターが入るぐらいの大きさ)
・雑巾
・キッチンペーパー
・新聞紙
・ゴム手袋(できれば厚手のもの)
- 準備
まず、取り外したレンジフードフィルターなどをキッチンシンクで洗うための準備をしましょう。
シンクを傷つけないために、切り開いたゴミ袋でシンクを覆って端を布テープで留めたら、排水口部分に穴をあけておきます。
また換気扇・レンジフードは高い位置にあるため、洗剤を使った際に垂れてくる可能性も。洗剤が垂れても汚れないようにレンジフードの下(コンロ)に新聞紙などを敷いたら準備完了です。
- 部品の取り出し
ここからは、手を汚れとケガから守るためにゴム手袋を着用します。
まず、ファン部分やフィルターなど、出来る限り取り外しておきます。
レンジフードに使用されているシロッコファンは、狭い羽の間にも油汚れが溜まりやすいため、「つけ置き洗い」が適しています。レンジフードについている整流板を開けてフィルターを取り出したら、中に現れるシロッコファンも取り外しましょう。
(清流板と言われる大きな蓋や、フィルターがないレンジフードもあります)
- つけ置き洗い
ファンについた頑固な油汚れを落とすために、まずはお湯につけて油を緩めます。バケツや桶にゴミ袋を被せたら、40〜50度のお湯と中性洗剤を入れて、取り外したファンをつけましょう。
保温効果を高めるためにゴミ袋を閉じたら、2〜3時間つけ置きしておきます。外したフィルターにもスプレータイプの洗剤を吹きかけ、15分程置いておきましょう。
(つけ置きするお湯に、マジックリンなどのアルカリ洗剤を入れれば効果は上がりますが、塗装の剥がれなどのリスクがあります。色々試しながら上達するしかありません)
- 湿布法
取り外したファン、フィルターだけでなく、換気扇・レンジフードのまわり全体にも油汚れがついています。そのような取り外せない部分には、湿布法が便利です。
洗剤を吹きかけた上からキッチンペーパーで覆うことで、汚れと洗剤を密着させられます。洗剤がしっかり汚れに反応するように、15分程経ってから拭き取るようにしましょう。
※最後に
換気扇やレンジフードのお掃除に使用する洗剤とスポンジは、レンジフードの塗装面の性質や状態によっては塗装剥がれの可能性があります。特に、黒いレンジフードは簡単に剥がれて下地が見えてしまいます。しかし、レンジフードの吸引性能などには関係ありませんので、私個人は油汚れを除去することをお勧めしています。
貴重な時間を費やしても、結局納得いく仕上がりにならなければ2度とお掃除したくなくなる。と言うお話もよく耳にします。
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