毎年、春になると偏西風に乗ってユーラシア大陸から飛散するもの。
それは、「黄砂」です。
黄砂は、砂漠や乾燥地帯の土壌が強風で巻き上げられたものですが、日本まで飛来する間に大気汚染物質を取り込んでいる可能性も指摘されており、健康への影響も懸念されています。
黄砂が及ぼす健康への影響と、健康被害を少しでも減らすための清掃方法についてご紹介します。
環境省が2018年3月に発行した「黄砂とその健康影響について」の中では、黄砂の飛来による健康影響について以下のような記述があります。
アレルギー疾患
黄砂濃度が高くなると、目のかゆみ、結膜炎、くしゃみ、鼻水などのアレルギー症状を発症する人が多いとの報告があります。
スギ花粉の飛散時期と重なるため、スギ花粉アレルギーのある人は特に黄砂のアレルギー症状も発症しやすいと言われています。
呼吸器疾患
黄砂は、気管支喘息、気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患の症状悪化との高い関連性が指摘されています。
黄砂には、PM2.5が含まれる場合もあり、PM2.5にも呼吸器疾患との関連性が報告されています。
特に子供は影響を受けやすく、黄砂飛来の後に気管支喘息の発作による救急受診や入院が増えるとのデータもあります。
循環器疾患
黄砂の飛来時に心筋梗塞の発症件数が増加するとのデータも出ています。
未だ具体的な発症のメカニズムは解明されていませんが、心筋梗塞だけでなく脳梗塞による入院との関連性も指摘されています。
黄砂対策は掃除から!屋内で掃除すべき場所5選!
黄砂の健康影響を極力避けるためには、家の中に黄砂を持ち込まないこと、家の中に入り込んだ黄砂を取り除くことが大切です。
空気の流れが止まる夜に黄砂は床に落ちますが、朝になると人の動きによって再び空気中に舞い上がってしまいます。
よって黄砂の掃除は朝一番がおすすめです。
黄砂対策のために、特に力を入れて掃除をしたい場所をご紹介します。
・玄関
家の中に黄砂を入れないようにするためには、玄関でのケアが一番大切です。
玄関に入る前に衣類用のブラシや粘着テープで、衣類に付着した黄砂を取り除きましょう。
・床
ドライシートを使って、床を静かに拭き取ります。
次に、ハンディモップで棚の上、たんすの上、テレビの周りを拭き取ります。
その後、しっかり掃除機や雑巾がけもしましょう。
・網戸
実は、網戸にも黄砂は付着します。
網戸の裏に新聞紙を貼って、掃除機で吸い込むと黄砂をしっかり吸い取ることができます。
その後、網戸の両面を濡れた雑巾で拭き取ると汚れもきれいに落としましょう。
・カーテン
カーテンも黄砂が付着しやすい部分です。
カーテンレールやドレープ部分に溜まった黄砂は、化学モップや掃除機で取り除きます。
また黄砂の時期が終わった後は、洗濯をすることも大切です。
・エアコン
エアコンのフィルターに付着します。
掃除機で吸い取るか中性洗剤で洗浄します。
内部への侵入もあるため洗浄業者に依頼して分解洗浄をしてもらいましょう。
