エアコンの寿命

今やエアコンは生活の必需品と言っても過言ではありませんが、電化製品なので長年使うといつか壊れてしまいます。「エアコンは何年くらいで寿命がくるのだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、エアコンの寿命は何年くらいなのか、また寿命を判断する方法や長持ちさせるコツなどをご紹介します。

まずは、エアコンの寿命が何年くらいなのか見ていきましょう。

メーカーの標準使用期間は10年

いくつかの電化製品には、「標準使用期間」が設けられています。これは標準的な条件で製品を使った場合に問題なく使用できる期間を表したもので、メーカーごとに定められています。エアコンの場合、標準使用期間を10年としているメーカーがほとんどです。そのため、10年が寿命のひとつの目安と言えるかもしれません。
また、各メーカーは故障した場合に備えて電化製品に使われている部品を一定期間保有し続けるのですが、その期間もメーカーごとに決まっています。
たとえば『Panasonic』の場合、エアコン部品の最低保有期間は10年です。
なお、部品の最低保有期間はその製品の製造を打ち切ったときからの期間になります。

実際の平均使用年数は約13〜14年

メーカーの標準使用期間は10年がほとんどだと説明しましたが、実際の平均寿命はもう少し長いのが現状です。内閣府の消費動向調査によると、2021年3月の調査結果では、2人以上の世帯のエアコンの平均使用年数は13.2年となっています。そのうち、故障が原因で買い替えているのは65.3%です。
一方、単身世帯になると、エアコンの平均使用年数が14.1年で、故障が原因で買い替えているのは62.6%です。
この結果から、エアコンの平均寿命は約13~14年と考えても良いでしょう。

エアコンが寿命を迎える前兆

長年使用し続けたエアコンにはさまざまな症状が現れますので、そこから寿命を判断することができます。どんな症状が出たら寿命のサインなのか、ここではエアコンの寿命の前兆を見ていきましょう。

暖房や冷房の効きが悪くなった

エアコンを使い続けていると、暖房や冷房の効きが悪くなってくることがあります。

エアコン内部を掃除することで改善するケースが多いですが、掃除してもあまり改善しないなら、エアコンの寿命が近い可能性があります。修理に出せばある程度の改善は可能ですが、一時的な対処となり、その後何年間も使い続けるのは難しい場合が多いです。

エアコンの運転中に変な音がする

エアコンを使っている時に異音がしたり、急に大きな音が出るような場合、室内機の送風ファンや室外機のコンプレッサーが故障している可能性が考えられます。先ほどと同様、フィルターの目詰まりなどが原因で音がなるケースなら、掃除をすることで改善できます。しかし原因がそれ以外なら、修理や買い替えが必要になるでしょう。

エアコンをつけると臭い

エアコンから出る風が臭いと感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。
臭いの原因は、エアコンが吸い込む室内の生活臭が熱交換器などに付着することや、カビの発生などが考えられます。臭いが付着しているのがフィルターだけなら、掃除をすれば取り除くことが可能です。しかし、フィルターより奥の手の届かないような部分に付着している場合は、自分では掃除できないので専門業者にクリーニングしてもらう必要があります。
もし掃除やクリーニングで改善されるなら、エアコンの買い替えは必要ないでしょう。

エアコン本体から水が漏れる

エアコンの吹き出し口などから水が漏れる場合は、エアコンの中で発生した水を外に出すためのドレンホースやフィルターに原因があることが多いです。
冷房を使うと、エアコンが部屋に溜まった湿気を吸収して、室内機の中に結露が発生します。通常、結露はドレンホースから屋外に出ていくのですが、ドレンホースが詰まっていたり、曲がっていたりすると、きちんと排出されずに吹き出し口や本体から水が漏れ出てしまうことがあるのです。また、ホコリなどでフィルターが汚れている場合も、結露水が吹き出し口から漏れることがあります。
まずはドレンホースの修理やフィルターの掃除を試し、それでも改善しない場合は買い替えが必要になる場合もあるでしょう。

リモコンの操作ができない

リモコンのボタンを押しても反応しない場合は、リモコンの電池切れや故障も考えられますが、エアコン本体が壊れている場合もあります。まずはリモコンの電池交換などを試し、どこに原因があるのかを確認しましょう。
もし本体が原因の場合は故障の可能性があるため、メーカーに問い合わせて修理や買い替えを検討しましょう。

ブレーカーが落ちる

ブレーカーが落ちる原因はいくつかありますが、他の電化製品を使用していないにも関わらず、エアコンをつけるたびにブレーカーが落ちるなら、エアコン自体が原因の可能性が高いでしょう。
エアコンが原因でブレーカーが落ちる場合、エアコン本体の故障や漏電が疑われます。
重要な部品が壊れてしまい、それを交換するとなると、修理代は高額になることが多いため、一層のこと買い替えたほうがオトクになるケースもあるでしょう。

エアコンを長持ちさせる6つの方法

1. フィルターをこまめに掃除する

フィルターが汚れた状態でエアコンを使い続けていると、運転効率が悪くなり、またエアコンに無駄な負荷がかかってしまいます。その結果、寿命を縮める原因となります。夏や冬など頻繁にエアコンを使う時期は、2週間に1度の頻度でフィルターを掃除するのが理想です。

2. エアコン内部の掃除をする

エアコン内部の熱交換機や吹き出し口周辺も掃除しましょう。
ただし、エアコン内部の掃除は素人では難しく、最悪の場合、故障につながる恐れがあります。そのためエアコンを購入した販売店や専門業者にクリーニングを依頼することをおすすめします。

3. 室外機を掃除する

室内機だけでなく、室外機の掃除もエアコンを長持ちさせるのに大切なポイントです。
室外機は屋外に置かれているため、砂埃や虫、枯葉などが中に入りやすく、定期的な掃除が必要になります。最低でも1年に1〜2回は掃除しましょう。
ただし室内機と同様、専門知識のない人が室外機の奥の方まで掃除をすると故障する可能性があります。自分で掃除をする場合は分解などはせず、手で取れる範囲の汚れを取ってください。

4. 室外機の置き方を考える

室外機の周りに物を置かないことも大事です。
室外機の周りに障害物があると、風が通りにくくなり空気の循環が悪くなるので、エアコン本体に負担がかかって寿命を縮めてしまいます。

余計な負担をかけないように、室外機の周りをすっきりさせて、空気がスムーズに循環するようにしましょう。また、夏場はすだれなどを使って日よけをすると室外機にかかる負担が減り、寿命を減らすリスクを抑えられます。

5. 設定温度に注意する

設定温度と室内温度の差が大きいと、エアコンがフル稼働する時間が長くなり、本体に大きな負荷がかかります。
過度な温度設定は避けるようにしましょう。なお、適切な温度設定はエアコンの負荷軽減だけでなく、電気代の節約にもつながります。

6. 長い期間使わずに放置しない

エアコンは夏や冬だけ使うという家庭も多いでしょう。
しかし、エアコンは長い間使わないと内部にホコリが溜まります。ホコリが溜まった状態で使うと冷暖房の効きが悪くなり、エアコンに負担がかかります。
エアコンを使用しない時期でも、1ヵ月に1回程度は動かしたり掃除をするなど、ホコリが溜まらないようにしましょう。