バスタブの着色汚れ

お風呂の浴槽が変色することがありますが、変色の汚れは簡単には落ちないため、対処を誤るとかえって汚れがひどくなってしまうのでは、と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、浴槽が変色してしまう原因や、汚れを落とす方法をご紹介します。
まずは、変色した浴槽の色から汚れの原因を特定しましょう。
浴槽が変色する要因はさまざまですが、原因を特定することで効率よく落とせるようになります。

主に浴槽の変色は、黄色・白色・茶色・青色の4種類が挙げられます。

以下、それぞれの原因と対策をご紹介します。

〇黄色に浴槽が変色する主な原因

黄色に浴槽が変色する主な原因として挙げられるのは、浴槽に付着している皮脂汚れや石鹸カス、水垢です。

湯船にこれらの汚れが漂い、浴槽に長く付着し続けることで汚れが混ざり合い、黄ばみへと変化します。

付着して間もない皮脂汚れなどは浴槽用洗剤で洗い流せますが、こびりついた水垢までは簡単に落とせず、結果的に変色の原因になってしまうのです。
また、浴槽の経年劣化も変色する原因に挙げられます。
浴槽にはコーティング加工が施されていますが、劣化によってコーティング材が剥がれてしまい、汚れが入り込んでしまいます。
なお、広く普及しているFRP浴槽(繊維強化プラスチックの浴槽)の場合、FRPライニングというコーティングをすることで劣化によるキズや汚れなどを補修することができますが、経年劣化の進んだ浴槽では補修費用が嵩みます。
浴槽の耐用年数は、メンテナンス状況にもよりますが、約10年〜15年、長くても20年程度です。
変色が気になるお風呂が15年以上を経過している場合、交換も検討しましょう。

〇白色に浴槽が変色する主な原因

浴槽内や浴室に付着した、白くザラついた汚れは毎日掃除をしても知らず知らずのうちに溜まっていく汚れです。この浴槽が白色に変色する主な原因として挙げられるのが、石鹸カスです。
専門的には「金属石鹸」と呼ばれ、水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が、皮脂汚れや石鹸と混ざって結合することで、石鹸カスとなります。

石鹸カスは浴槽内だけではなく、椅子や鏡など浴槽全体にも付着し、水に溶けづらい性質を持っているため、スポンジなどで擦っても、なかなか落ちにくい汚れです。けれども、日ごろから掃除を行うことで、変色の予防や、進行を遅らせることができるでしょう。

〇茶色に浴槽が変色する主な原因

浴槽の循環口の付近から底面の排水口にかけて、さらには浴槽の外側部分でも、茶色い絵の具を塗った様に変色する場合があります。
このように茶色に変色する主な原因は水垢やサビです。専門的には「酸化鉄スケール」と呼ばれるもので、水道水に含まれる鉄分が、空気中の酸素に触れて酸化することで、鉄分が茶色く変色したものです。そのため、浴槽内に水分が残っていたり、浴室内の換気が適切にできていなかったりすることで、サビの付きやすい状態となってしまいます。予防方法は、適切な換気や、浴槽を拭き取ることなどが挙げられます。
また、地域によっては井戸水を使用しているご家庭もあるでしょう。井戸水は鉄分を多く含んでいるため、蛇口から流れる水が濁っていたり、排水口の周囲が茶色くなったりする場合もあります。それらもサビが原因です。井戸水全体がサビているのではなく、配管部分に残った井戸水の鉄分によって、錆びて変色してしまっています。

〇青色に浴槽が変色する主な原因

湯船の水位付近から排水口にかけて、浴槽が青く変色する場合があります。

特に、浴槽側面の水位付近に、青色の線を引いたような汚れを見たことがある方もいるのではないでしょうか。これらの原因は、浴槽配管内部に使われている「銅」の成分が浴槽内に流れ込み、酸素などに触れることで青く変色したと考えられます。専門的には「銅石鹸」とも言われ、白い浴槽でも青く変色します。

〇入浴剤による変色

自宅で温泉気分を楽しむために入浴剤を使う方も多いでしょう。ですが、入浴剤の影響で浴槽が変色する場合もあります主な原因は、入浴剤に含まれる成分です。

温泉成分の硫黄を含んだ入浴剤は、排水栓や鎖部分に付着し放置することで変色や腐食の原因になります

他にも、バスソルトに含まれる塩化ナトリウム、お湯を濁らせる効果の炭酸カルシウムも変色する原因です。また、入浴剤に含まれる着色剤も、浴槽を変色させる原因として挙げられます。

着色剤が多く含まれる入浴剤の代表は、効能よりも色や香りを楽しむことが目的の「雑貨」類の入浴剤です。

必要以上の色や香りを出すために色素が強くなり、浴槽に染み付く場合があります。さらに、浴槽の状態によっては細かなキズに入り込むことで変色の原因にもなります。ただし、着色成分が水性の入浴剤は、洗い流せるため変色の影響は考えなくてよいでしょう。主な商品は、温浴効果や保湿効果を目的とした「医薬部外品」や「化粧品」に該当する入浴剤です。

入浴剤の正しくない使用方法や頻度、使用後の掃除の仕方も、浴槽の変色に影響します。

例えば、2種類の入浴剤をブレンドして使用するケースは、入浴剤の効能を損なうだけでなく、汚れも溜まり、変色の原因ともなります。また、入浴剤を使用した際の追い焚きも避けましょう。入浴剤に含まれる成分が配管内を通ることで、サビや劣化の原因になります。

そのため、入浴剤入りのお風呂に入った後は、早めに浴槽からお湯を抜き、綺麗に掃除をすることが重要です。特に、檜(ヒノキ)風呂などの木製や、人工大理石の浴槽では、入浴剤入りのお湯を放置することで化学反応が起きて、変色する場合があるため注意が必要です。