鏡のウロコ

お風呂の鏡。白く曇っていませんか?鏡を固定している金具周りについている白い塊。何かご存じでしょうか?

〇ウロコって何?

鏡のウロコの正体は、水道水に含まれる不純物です。不純物は2種類あり、まず1つ目が水道水の消毒に用いられるカルキです。カルキとは塩化石灰のことで、カルシウム化合物に区分されます。2つ目はナトリウムやカルシウム、マグネシウムといったミネラル分で、これらはもともと原水に含まれるものです。

これらの不純物は非常に粒子が細かいため、水道水に含まれている状態では肉眼で確認することはできません。鏡についた水分が時間経過と共に蒸発すると、カルキやミネラル分だけがその場に残ります。当初は目立ちませんが、何度も水分の蒸発が起こると、不純物が堆積し、名前の通りウロコのように重なっていくのです。

不純物の厚みが増すと、白っぽい跡が肉眼でも確認できるようになり、鏡のウロコとして認識されるようになります。また、石けん成分もウロコの正体のひとつです。鏡に付着した石けんの泡が蒸発すると、白っぽい石けんカスだけがウロコとして残ります。

なお石けんカスには、金属石けんと酸性石けんの2種類があります。金属石けんとは、水道水のミネラル分と石けん成分が混ざり合ったものです。酸性石けんとはミネラル分と皮脂が混ざったものを指します。

いずれもウロコの正体のひとつですが、金属石けんと酸性石けんでは汚れの性質が異なるため、石けんカス由来のウロコを落とすときにはそれぞれの性質に合った方法で掃除をする必要があります。

〇ウロコの落とし方

クエン酸で落とす
クエン酸とは、酢や柑橘類などに含まれる酸味成分のひとつです。酸性の性質を持っているため、その反対のアルカリ性の性質を持つウロコに使用すると、成分が中和されて汚れを落としやすくなります。

必要なもの

  • クエン酸
  • スプレーボトル
  • キッチンペーパー
  • ラップ
  • スポンジ
  • ゴム手袋
  • 乾いた布

掃除手順1. クエン酸液を作る

スプレーボトルに適量の水とクエン酸を入れて混ぜ、クエン酸液を作ります。水とクエン酸の割合は、水100mlにつき小さじ1/2のクエン酸を入れるのが目安です。 なお、汚れに応じて濃さは変えましょう。

掃除手順2. ウロコにクエン酸液をスプレーする

鏡のウロコに対してクエン酸液をまんべんなくスプレーします。クエン酸は自然由来の成分ですが、肌が弱い方は皮膚が荒れるおそれがあるので、ゴム手袋を着用しましょう。

掃除手順3. キッチンペーパーとラップでパックする

クエン酸液が落ちないうちに、キッチンペーパーを鏡に貼り付けます。その上からさらにクエン酸液をスプレーしたら、蒸発防止のためにラップで覆います。

掃除手順4. 放置後、こすり洗いしてからすすぐ

2~3時間ほど放置 したら、ラップとキッチンペーパーを取り除き、スポンジを使ってウロコをこすり落とします。鏡の全面を洗い終えたら、シャワーを使うか、あるいは濡らして固く絞った布を使ってクエン酸液と汚れを落とします。

掃除手順5. 乾いた布でから拭きする

仕上げに、乾いた布でから拭きし、水気を取り除けば完了です。

お酢で落とす

上記で紹介したクエン酸はお酢にも含まれているので、クエン酸が手元にない場合はお酢で代用できます。

必要なもの

  • お酢
  • スプレーボトル
  • キッチンペーパー
  • ラップ
  • スポンジ
  • ゴム手袋
  • 乾いた布

掃除手順1. お酢の希釈液を作る

スプレーボトルに適量の水とお酢を入れて混ぜ、希釈液を作ります。水とお酢の割合は1:1が目安です。

掃除手順2. ウロコに希釈液をかけ、キッチンペーパーでパックする

ゴム手袋を着用したら、クエン酸を使った場合と同じように、スプレーボトルで希釈液を鏡のウロコにまんべんなくかけ、上からキッチンペーパーを貼り付けてパックします。その上からさらに、希釈液をスプレーします。

掃除手順3. ラップを掛けて放置する

キッチンペーパーの上からラップを貼り付け、約2時間ほど放置します。

掃除手順4. こすり洗いしてからすすぐ

放置後、ラップとキッチンペーパーを取り外し、シャワーですすぐか、または濡らして固く絞った布で希釈液と汚れを拭き取ります。

掃除手順5. 乾いた布でから拭きする

仕上げに、乾いた布でから拭きし、水気を取り除けば完了です。

重曹で落とす

重曹とは炭酸水素ナトリウムのことで、掃除のほか、ベーキングパウダーの主成分として食品にも使われている成分です。弱アルカリ性で、酸性の汚れと混ざると中和作用を発揮し、汚れが落としやすくなります。また、細かく丸い粒子をしているため、こすり洗いすると研磨作用を発揮するのも特徴のひとつです。

必要なもの

  • 重曹
  • 容器
  • ヘラ
  • ラップ
  • ゴム手袋
  • 乾いた布

掃除手順1. 重曹ペーストを作る

適当な容器に水と重曹を入れてヘラで混ぜ、重曹ペーストを作ります。重曹ペーストは、重曹と少量の液体石鹸(または少量の水)を混ぜて作ります。

掃除手順2. 重曹ペーストを鏡に付ける

ヘラを使って重曹ペーストを鏡のウロコに塗っていきます。ヘラを使わない場合は、ゴム手袋を着用した上で、手で付ける方法もあります。

掃除手順2. ラップを使ってこすり洗いする

適当な長さにカットしたラップをくしゃくしゃに丸め、鏡をこすり洗いします。くるくると円を描くようにこすっていくのがポイントです。

掃除手順3. 重曹ペーストと汚れを洗い流す

シャワーですすぐか、あるいは濡らした固く絞った布を使って鏡に付着した重曹ペーストと汚れを取り除きます。重曹ペーストは粘性があるので、成分が残らないよう、念入りに洗い流しましょう。

掃除手順4. 乾いた布でから拭きする

仕上げに、乾いた布でから拭きし、水気を拭き取ったら完了です。

〇鏡のウロコは身近にあるもので掃除できる

鏡にウロコがつく原因は、水道水の不純物と石けんカスです。ウロコは堆積するほど頑固な汚れになるので、クエン酸やお酢、重曹など、身近にあるものを使って定期的に掃除する習慣をつけましょう。

ウロコ掃除をする際は、素手で洗剤に触れない、掃除前後に塩素系洗剤を使用しないなど、いくつかの注意点を押さえて作業することが大切です。また、汚れの性質は酸性かアルカリ性かによっても異なります。汚れに応じた掃除方法で、鏡をいつでもキレイな状態にしておくと気持ちよくお風呂にはいれると思います。