大掃除が気になり始める頃。
キッチンの大掃除の中でも負担が大きいのがレンジフード、換気扇ではないでしょうか。
毎年洗剤でゴシゴシするのですっかり疲れてしまう方のために、今年はお掃除のプロが教える、掃除が楽になるアイディアをご紹介します。
※レンジフードや換気扇は、事前に目立たない箇所で試してから行ってください。塗装が剥げる場合があります。
①時間と温度を味方につける。
どんな汚れもそうですが、強力な洗剤を使って力を入れてこすれば、汚れは落ちますが疲れが残ります。
でも、つけおきしてから洗えば強くこすらなくても汚れが落ちたり、いつもの洗剤でもお湯を使えば早くきれいに汚れが落ちたりします。そんな経験は誰もがありますよね。
お掃除のプロの基本「四要素」
お掃除のプロが掃除をする時に使うのが「四要素」という考え方です。
汚れを落とす時は4つの要素「洗剤の濃度」「時間」「物理力」「温度」が作用しています。
この組み合わせを活用して適切に汚れを落とすのがお掃除のプロの基本。
4つの要素の内、洗浄力の強い洗剤(「洗剤濃度」)で強い力(「物理力」)でも掃除はできますが、掃除場所を傷めたり手が荒れたり疲れてしまいます。
一方、「時間」を長くし「温度」を高くすることで、洗剤が強くなくても力を入れなくても汚れは落ちやすくなります。
この考えをもとに、レンジフードや換気扇の掃除では「時間」と「温度」を使って、掃除をラクにしましょう。
油汚れがこびりついているシロッコファンやフィルターは先に油を溶かすと汚れが落ちやすくなります。
大きな容器に50℃くらいの湯を入れ、中性洗剤や重曹などあまり強くない洗剤を溶かし、シロッコファンなど掃除をしたい物を入れ、汚れがゆるむまでつけおきします。
細かい部品がある場合は、耐熱性があって密閉できる袋に湯と洗剤と一緒に入れます。
溝などに入って固まった油を湯の温度で溶かして、掃除をしやすくします。
容器の内側に耐熱性のあるビニール袋を入れておけば、口を縛ってフタを閉じておくと温度が保たれてより汚れがゆるみやすくなります。
時々油の溶け具合を確かめ、落とせそうな硬さになっていたら食器用洗剤などで洗って、掃除は完了です。
②専用洗剤を使う
最近では大手メーカーが様々な洗剤を開発・販売しているので色々試してみるのも良いと思います。
つけおきで様々な汚れが落とせることで人気の酸素系漂白剤ですが、換気扇掃除には使えません。金属のフィルターやファンを傷めてしまうからです。
掃除の前には必ず洗剤の説明書きやレンジフードの取扱説明書を読んでから行ってください。
③こまめに掃除をする
掃除はこまめにする方が楽なのは分かっていますがなかなかそうはいかないのではないでしょうか?
汚れはできてすぐの方が落ちやすいです。特に油汚れは固まってしまうと掃除が大変なので、固まる前が勝負。早ければ早いほどいいです。
レンジフードや換気扇の周りでは、手軽に使える使い捨ての掃除用シートを常備しておくと片付けの延長で掃除に取り掛かりやすくなります。使い捨てのフィルターを定期的に取り換えておけば、汚れもたまらないので大掃除が中掃除か普通の掃除で済みます。
ちなみに、掃除に欠かせないゴム手袋は手袋の裾部分を大きめに折り返しておくと、手袋の内側まで洗剤が入ってこないそう。これも掃除の手間を減らすお掃除のプロの知恵です。
④掃除の計画を立てる
少し耳が痛いアドバイスが続きますが、掃除は計画的に行うのが良いと思います。
汚れが酷くなる前に掃除ができ、結果として掃除がラクになるからです。
とは言え、前回お掃除をしたのがいつなのか、あまり覚えていないものです。まず掃除をした日を記録することから始めましょう。
同時に次に掃除をする日を決めれば、目標ができ、定期的な掃除の習慣ができるようになります。
掃除の頻度の目安は、家族が多く、揚げ物などの油料理をよくする家庭では3か月に1回、調理頻度が毎日朝と夜くらいの家庭では半年に1回、ひとり暮らしや調理の回数が少ない家庭は年に1回くらいです。
油汚れは気温が高い時期の方が落としやすいので、その時期を中心に計画を立てる方法もあります。
⑤汚れが落ちにくくなったら部品交換
黒いフィルター等は、長期間付着した油汚れが酸化して表面の塗装と癒着、それを落とそうと力一杯こすることで、汚れごと塗装がはがれてボロボロになってしまいます。
そのまま使い続けると傷んだ場所からサビが発生し、さらに落としづらい汚れになってしまいます。
どんなにこまめに掃除をしてもフィルターは消耗品です。
傷みが酷くなってしまった場合は新品に交換しましょう。
ですが塗装が剥がれたフィルターでも、見た目が気にならなければそのまま使用しても大丈夫です。
大掃除を辛くないものにしましょう。
大掃除の最難関、レンジフードの掃除が楽になるアイディアが見つかったでしょうか?
お掃除のプロは腕力や洗剤の力だけで汚れを落としているのではありません。
汚れの性質に合った掃除方法を活かしています。
毎日の掃除にプロの知恵を借りることで、私たちの掃除も楽になって、家で過ごす時間もより快適で心地よくなっていきます。
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