「エアコンの効き目が突然悪くなった」
「エアコンから冷たい風が出てこない」
そのような症状がある場合、エアコンがガス漏れを起こしている可能性があります。エアコンがガス漏れを起こしていると、エアコンの冷暖房機能が正常に使えないだけではなく電気代が無駄にかさんでしまうケースも。
本記事では、エアコンのガス漏れで起こる症状や原因と自分でできるセルフチェックの方法をご紹介します。また、修理と買い替えはどちらがお得になるのかを詳しく解説しますので、ガス漏れにお困りの方はぜひ参考にしてください。
エアコンでガス漏れするってどんな状態?
エアコンのガス漏れとは、エアコン内部にある冷媒ガスが何らかの原因で外に漏れだしてしまい、ガスが減少してしまう状態のことを指します。
エアコンは本来、エアコン内部の冷媒ガスがエアコン本体と室外機で熱を移動し、放出させることで部屋の温度を冷やしたり、温めたりする仕組みになっています。ガス漏れを起こすと冷媒ガスが減り、この仕組みが正常に作動しなくなるため部屋の温度調節ができなくなるのです。
エアコン内部に存在する冷媒ガスには毒性がありません。そのため、吸ったり浴びたりしても人体に大きな健康被害はないといわれています。
しかし、冷媒ガスは火に接触すると有害物質を生成してしまう恐れがあります。鼻水やのどの痛みなどを感じることがあれば、冷媒ガスが塩化水素やフッ化水素などの有害物質に変化し、それらの影響を受けてしまっているかもしれません。
命に関わる大きな被害は報告されていませんが、ガス漏れの疑いがあるなら火気は近づけないように注意してください。
ここでは、エアコンのガス漏れが起こった際によく現われる症状について解説していきます。以下のような症状が見られたら、エアコンがガス漏れを起こしているかもしれません。
エアコンの配管や熱交換器に、霜や氷がついていると、ガス漏れを起こしている可能性があります。
熱交換器(フィン)とは、エアコン本体のカバーやフィルターを外した時に見つけられるアルミ製の金属板のことです。エアコンがガス漏れを起こしてエアコン内部の冷媒ガスが減ると、熱交換器に霜がつきます。
さらに、室外機の配管に霜がついている場合もあります。ガス漏れの疑いがある場合は、熱交換器・室外機の配管をチェックしてみましょう。
エアコンのガス漏れが起こると、室外機の配管部分が油でべたべたになることがあります。この症状は、配管の中で流れている冷凍機油がガス漏れによってガスと一緒に出てしまっているのが原因です。
配管の継ぎ目は室内機側と室外機側で2ヵ所存在しているため、簡単に目で見て確認することができるでしょう。
エアコンのガス漏れの症状としてわかりやすいのが、エアコン本体から出てくる風です。冷房・暖房運転をしているにもかかわらず常温の風しか出てこない状態になってしまっている場合は、ガス漏れの可能性があります。エアコン内部の冷媒ガスが減少しているため、部屋の温度調整ができなくなっている状態です。
エアコンのガス漏れが起こると、エアコンの本体から水が飛んでくるという症状が現われるケースもあります。冷媒ガスが漏れてしまうことによって、予期しないところで冷却されて結露が発生し、その水分が送風口から飛んでくるのです。
ただし、エアコンから水が飛んでくる原因は単なるエアコンの冷房/除湿機能による結露や、ドレンホースのつまりによっても起こりえる症状です。その他のガス漏れの症状がないかどうか、合わせて確認が必要です。
ここでは、エアコンのガス漏れはどのような原因で起きてしまうのかを解説します。ガス漏れの原因を正しく理解し、エアコンのガス漏れにスムーズに対応しましょう。
すでに設置済みの室外機を移動したり、誤って転倒させてしまうことによってガス漏れの原因となる可能性があります。配管の接触不良や部品が損傷して冷媒ガスが漏れだしてしまうのです。
室外機の配管は経年劣化でどんどん固くなるため、少しの衝撃で損傷しやすくなっています。地震の発生などで転倒したり、設置場所がずれてしまった場合は自分で直そうとせず、業者に相談することが必要です。
エアコン本体の熱交換器や室外機の配管が経年劣化で腐食することによって冷媒ガスが漏れだしてしまう原因になります。腐食した部分に穴が開いたり、接触不良を起こすケースも多いようです。
排水用のホースを下水道に直接繋いでいるケースは、下水道のアンモニアによって腐食しやすくなる原因になるため、直接繋がないようにしましょう。また、海の近くや温泉地も塩分や硫黄の影響で腐食しやすいといわれています。
エアコンは本体と室外機を配管で繋いでいます。この配管作業に不具合があり、少しの隙間やずれが発生してしまうと、エアコンがガス漏れを起こす原因になる可能性があります。
エアコン本体に問題がなく取り付け作業ミスによる原因であれば、エアコンを取り付けた初年度から不具合が起きるためかえって判断しやすいでしょう。
エアコンを自力でつけたり、安いからといって経験の浅い業者に依頼するのは注意が必要です。
エアコンの標準使用期間は10年とされているため、設置から10年以上経過している場合は、経年劣化でガス漏れを起こすことも考えられます。
室外機の配管は外にあるため、どうしても天気の影響を受けやすいでしょう。海や温泉地などの塩分や硫黄ガスの影響を受けやすい地域では、熱交換器が腐食してしまうケースも。
エアコンの効きが悪くなってきたら、配管や熱交換器の様子をチェックしてみましょう。
ここではエアコンがガス漏れを引き起こしているのかどうか、自力でチェックする方法をご紹介します。ガス漏れかどうか自分でまず判断したい方は、参考にしてください。
自力でできるもっとも簡単な方法が、熱交換器や配管に霜が下りていないか目で見てチェックすることです。熱交換器や配管に霜が下りていると、ほぼほぼ冷媒ガスが漏れてしまっていると判断してよいでしょう。
食器用洗剤のような中性洗剤を使って、エアコンのガス漏れをチェックする方法があります。手順は以下の通りです。
- 中性洗剤を水で薄め、室外機の配管が接続されている部分にかける
- ガスが漏れている場合は、洗剤を薄めた水がかかっている所へ泡ができてくる
泡が出てくる場合はガス漏れの可能性がありますが、漏れ出す冷媒ガスの勢いが強い場合や冷媒ガスが完全に漏れきってゼロの場合だと泡にならないケースもあります。
エアコンのガス漏れをチェックするための検知器があります。ガス漏れ検知器なら、漏れているガス量が少なかったとしても検知できるため、ガス漏れの可能性を見逃す確率は低いでしょう。
ただし、ガス漏れを検知する専用の検知器は高価な商品も多いため、一般家庭ではほとんど活躍する機会がなくコスパが悪いといえます。エアコン取り付け・修理業者に相談する方が効率がいいかもしれません。
冷媒ガスは冷たい風や暖かい風を出すために室内機と室外機を循環しているガスですが、配管の劣化でひびが入ったり穴が開いてしまうとこのガスが漏れてしまい、エアコンを運転していても効きが悪いと感じるようになります。
冷媒ガスが漏れている場合の修理相場は27,000〜50,000円程度ですが、設置場所や購入年数などによってさらに高額になる可能性もあるでしょう。
エアコンが故障した場合、まず修理することを考えるかもしれませんが、場合によっては買い換えた方がお得になることもあります。
なぜなら、修理箇所によっては高額な修理費用がかかってしまったり、新しいエアコンに買い換えた方が毎月の電気代をコストダウンできることもあるからです。
下記のような場合は修理より買い換えた方がお得になります。
修理するより買い換えた方がお得になる場合
- エアコンを購入してから10年以上経過している場合
- コンプレッサーが故障している場合
- 冷媒ガスが漏れている場合
- エアコン使用で電気代が高くなる場合
まずはどのような不具合があるのかを確認してから、不具合ごとの修理費用を確認しましょう。そして、使用年数やおおよその修理費用をもとに、修理するのか買い替えるのかを検討してください。
