久しぶりにエアコンの電源をオンしたら、何だか効きが悪い……。そんなときは「まさか故障!?」と焦ってしまいますが、実はちょっとしたことで効きがよくなる場合もあります。では、何をチェックすれば解決できるのでしょうか?
風がぬるい、涼しくならない…。エアコンが冷えない原因は?
冷房運転では、室内機が取り込んだ部屋の空気から熱交換器で熱を取り除き、冷たい風にして部屋へと戻しています。この熱を運ぶのが、室内機と室外機をつなぐパイプに充填された冷媒ガス。この冷媒ガスは、効率良く熱を排出できるように室外機のコンプレッサーで圧縮されて高温となり、室外機側の熱交換器を通じて大気中に放出されます。
こうした熱の移動が行われるのは、熱は多いところから少ないところへ移動する性質をもつため。なお、暖房運転時はこの逆で、室外機が集めた大気中の熱を冷媒ガスが乗せて室内機へと移動し、室内機側の熱交換器を通ることで暖かい空気を部屋へと送ります。
コンプレッサーや冷媒ガスがうまく働かないと、当然ながらエアコンの効きも悪くなってしまうもの。その場合は私たちの手に負えないので、専門業者に修理を依頼するのがオススメです。
冷房にしているのに涼しくならない場合、コンプレッサーが故障していたということはありがち。原因は経年劣化によるものが多いようです。また、冷媒ガスの漏れによってエアコンが効かなくなるケースもありますね。漏れの原因は、パイプの接続不良や破損。室外機を動かしてしまうと、室内機とつながるパイプに影響が出ることがあるので注意しましょう。
風の温度、フィルターの状態 etc. 室内機のチェックポイント
では、冷房の効きが悪くなったとき、私たちに何かできることはあるのでしょうか?
エアコンの不調は使い始める時期になってようやく気付くことも多いので、本格的なシーズンになる前に試運転をしておくと良いでしょう。また、室内機の不調でありがちなのが、フィルターが汚れていたというケース。ホコリが溜まっていると空気が通りにくくなり、効きが悪くなってしまうので、フィルターの掃除を行いましょう。
また、模様替えで棚を室内機の下に移動したりすると、棚が障害物となって風が届きにくくなることも。吸い込み口や吹き出し口付近は、モノなどでふさがないようにしてください。
このほか、そもそもオン/オフが効かない、なんてケースもあるとか。
これはリモコンの電池切れが多い様です。リモコンで電源のオン/オフができなくなったら、まずは電池切れを疑い、新しい電池に替えて試してみましょう。
室外機は運転状況や、周囲の状況などを確認しよう
エアコンの効きが悪いときは、室外機もチェックする必要もあります。
「室外機の周囲に障害物があると放熱妨害が起こり、熱交換がきちんとできなくなります。植木鉢やバケツを近くに置いているなら、別の場所に移動しましょう。戸建ての場合は、生い茂った草にも注意が必要。冷房を使い始める時期は特に、雑草などが室外機の周りを覆っていないか確認してみてください。また、室外機を隠すケースやカバーなどもありますが、製品によっては熱交換を妨げる要因となるので、各メーカーが発売している純正部材を使用すると安心です。
また、夏、室外機に直射日光が当たっているのも、冷房が効きづらくなる要因だとか。
室外機や周囲が熱くなって放熱が滞るため、よしずなどで日陰をつくるのが効果的です。最近は住宅の事情で、室外機の設置スペースが南側にしか取れないお宅もあるので、その場合は特に注意してください。
部屋の広さに合う能力のエアコンが設置されていないことも…
エアコンの効きが悪い原因として、エアコンの能力が部屋に見合っていないケース。
これは新しく購入するときというより、引っ越しなどで住まいが変わるときですね。今まで使っていたエアコンを再利用しようとしても、以前より部屋が広かったり、断熱性能が低かったりすると効きが悪くなってしまいます。また、寒い地方なら暖房能力の高い寒冷地向けエアコンが必要になるなど、転居地によっても条件が変わってくるので、注意してください。
そうした失敗をしないためには、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか?
基本的には、エアコンのスペックを確認した上で、見合った場所に設置することですね。カタログなどには“12畳用”といった形で適用畳数が記載されていますが、冷房時と暖房時に差があります。暖房時の方が畳数の目安が小さくなりますので、暖房時を基準にした方が確実です。
また、木造住宅の方が鉄筋住宅よりも気密性が落ちますので適用する畳数は小さくなります。畳数の目安に幅があるのはこのため。なお、大きな窓や吹き抜けがある、あるいは天井が高いといった部屋の場合も、よりパワーが必要になるので、適用畳数よりも大きめのサイズを選ぶと良いでしょう。
